特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、大阪府警堺署は20日、信用金庫の職員らに感謝状を贈呈しました。
堺署の岡野明子署長が感謝状を贈呈したのは、尼崎信用金庫もず支店の大村萌さん(25)と、特殊詐欺の被害防止対策に取り組む、防犯ボランティア「オバスターズ」のメンバー・山口正恵さん(79)です。
大村さんは10月中旬、70代の女性が、スマートフォンを操作しながら支店に入ってきたのを不審に思い、女性に声をかけました。
女性のスマートフォンには、「93億円が当選しました。URLをクリックしてください」「受け取りのために入金してください」といった文言のメッセージが届いていたことから、大村さんは、偶然その場に居合わせた「オバスターズ」の山口さんとともに1時間以上かけて説得し、女性は詐欺の被害にあわずに済んだということです。
大村さんは当時を振り返り、「普段からお客様の相談は親身に聞くように心がけていたので、詐欺を未然に防げてよかった」と話しました。
岡野署長は、「電話やメール、あの手この手でお金をだまし取られる手口が後をたちません。『お金が戻ります』『料金が必要です』などの電話やメールは詐欺と疑ってください」と注意を呼びかけています。
2024年12月21日
「93億円当選した、受け取りのために入金を」70代女性を1時間以上かけて説得し詐欺を未然に防ぐ 信用金庫職員らに感謝状 大阪・堺市
多田文明:詐欺・悪徳商法に詳しいジャーナリスト
解説 当事者ではない人からみれば、93億円当選とはにわかに信じられない話ですが、お金を受け取れると信じてしまった人を説得するのは至難の技です。
特に高齢者の方のなかには、一端、思いこむと自分の考えをかたくなに変えない人もおり、過去の取材の中では、ロマンス詐欺だと銀行の方などが幾らいっても聞き入れず、お金を引き出したケースもあります。
そうしたなかで、1時間以上も根気強く、諦めることなく説得して詐欺の被害を防いでくれた行動は力強く感じます。
この種の当選詐欺では、お金が受け取れるために、まず手数料を払うように言ってきます。もし周りでそのような方がいれば、頭ごなしに「詐欺だ」と一方的に言うのではなく、根気強く本人の話を聞きながら、本人に詐欺だと気づかせるように、話をすることが大事になります。
説得に一時間以上かかったってのは何よりも驚く
だからこそ騙されたんだろうけど、職員からの詐欺ですよの言葉は信じられないのに、93億当たりましたのお知らせには飛びついてしまうと言うのが年齢による認知の部分に問題があるのか純粋なのか
ずっとこの手の詐欺がなくならないってのはそう言う事なんでしょうね
詐欺罪の軽さは本当に問題だと思う。こうした特殊詐欺は手口が巧妙化している一方で、被害者の生活や心に大きなダメージを与えるのに、刑罰が甘すぎるよね。厳罰化して詐欺犯に強い抑止力を持たせるべきだと思う。
それにしても、自民党はこうした犯罪への対応に関して本当に「判断が遅い」と言わざるを得ない。詐欺の被害額が増加している現状を見ても、もっと早く法律の見直しや防止策を強化してもよかったはず。今回のように現場の人々が被害を未然に防いだ例は素晴らしいけど、制度として国が先回りした対策を講じることが必要だよね。
認知症などで判断能力がないのならともかく。いきなり93億円当選を信じるって、まず93億円が当選する催しって日本ではありえないし、応募した記憶ないけど93億当たったみたいだからラッキーで手続きするって何年か前に数千万の誤送金を誤送金と知りながら使った若者と何ら変わらない。
当時の夫が目をキラキラさせて投資(FX)ですでに100万円もうかったと言い出し、いやそれ詐欺だから!よくよく聞いてみるとTwitterで知り合った人のことを信じLINEに誘導されて…ってそれぜったい詐欺!どんなに説得しても騙されたと思いたくなかったらしく…たぶんプライドが高かったのでしょうね。詐欺師の言うことにはころっと騙され家族の言うことは聞かず結局500万円の被害。他にもいろいろありましたがこれが決め手となり離婚しました。
身内するよりも他人が説得した方が目が覚めると思います。
もちろん行員さんも素晴らしいのだけど、オバスターズの山口さんが、同世代の立場からいろんな言葉を工夫して伝えられたことも大きかったのだろうと思う。70代後半とは思えない朗らかでシャンとしていらっしゃる。ひょっとしたら水際対策で効果的なのは、オバスターズのように意識の高い同世代の方を増やすことかもしれない。