大相撲の元大関で、タレントの小錦八十吉さん(60)が23日、会見を開き、肥満性腎症のため、今月4日、生体腎移植を受けたことを明らかにしました。
サンタクロースの姿で、力強く語る小錦さん。
「皆さん、メリークリスマス。元気なコニちゃん、おかげさまで嫁の腎臓もらって、99.9歳まで生きる。嫁の腎臓をもらうのは、なかなか自分が受け入れられなくて。今年の6月、本当に、自分もびっくりするくらい、医師に『飛行機に乗ったら死ぬ』と言われて。だんだん自分も食が薄くなって。嫁にずっと前から(腎移植を)やれと言われていて。いまは、そばにいるんじゃなくて中にいる。(Q.お互いにクリスマスに贈りたいプレゼントは)LOVEをたっぷりあげようと」
小錦千絵さん
「私は腎臓をあげちゃったんで、何もあげられません」
妻の千絵さん(48)がドナーとなった腎移植手術が無事に成功し、23日に退院した小錦さん。
新弟子検査のときは175キロでしたが、稽古を重ね、大関となった小錦さんは、関取史上、最重量となり、その体重は300キロに迫りました。
湘南鎌倉総合病院・田邊一成院長補佐
「元お相撲さんだったり、非常に体格の大きい方でも安心して受けられることが、一つの大きなメッセージになる」
執刀医は、7年前、同じく妻がドナーとなった元横綱・武蔵丸の武蔵川親方から教えてもらいました。
田邉医師は、約40年で、2000件以上の腎移植手術を行ってきました。
脳死からの移植が少ない日本では、生体腎移植が年間1500件ほど行われていて、技術は世界トップレベルです。
湘南鎌倉総合病院・田邊一成院長補佐
「よく外来で聞かれるのは、75歳だからダメだと思ったとか。この病院では、一番年齢の高い腎臓もらった方は85歳。いま92歳で元気にされている。保健医療でできますから、非常に少ないお金で」
ドナーからの腎臓摘出は、腹腔鏡手術で2、3時間。日本では、6親等以内の血族などが同意のうえで提供することが認められています。医療の進歩で「適合しないことはほとんどない」そうです。
湘南鎌倉総合病院腎移植外科・大久保恵太部長
「血液型が異なるとできない血液型不適合というのがあるが、日本では、先人の技術によって、手術前にいろいろな薬剤使用や、血漿(けっしょう)交換などの技術で、安全に手術が行えるようになっているので、血液型が異なっても大丈夫です」
術後の生存率は、10年で9割を超えます。
今後、小錦さんは、免疫抑制剤を飲み続けますが、健康的な生活を送れるといいます。これからしたいことを聞かれると。
小錦八十吉さん
「僕なりに、日本の相撲文化を(海外に)伝えていくことが大切な仕事。生きている間になんとか。亡くなったときに、小錦は日本人と言われるくらいの覚悟で」