「お母さんに家を建ててあげたい」中山美穂さんの“育ての親”と共演俳優が明かす“忘れられない素顔”
「ありがとう、美穂。本当に頑張ったね……」 12月12日、都内で行われた中山美穂さんの葬儀に参列した“育ての親”は、そう別れを告げたという。 中山さんは12月6日、都内の自宅で亡くなった。54歳で急逝した元トップアイドルの訃報に、悲しみの声があふれた。所属事務所の発表によると、死因は入浴中の不慮の事故。事件性はないとされる。 「葬儀では、もう涙が止まらなくて。人生で一番泣いたんじゃないかってぐらい。私は独身ですし、美穂は娘のような存在でした。2人で芸能事務所を立ち上げて、人生の半分は一緒にいたんですから」 冒頭に続けてそう語るのは、中山さんの所属していた芸能事務所『ビッグアップル』の創業者・山中則男氏。中山さんを発掘し、世に送り出した人物だ。 1982年、中山さんの人生は、山中氏との出会いによって動き出す。 「私が東京の原宿でスカウトし、その後に母親と3人で食事をしたときのことです。美穂は“お母さんは、すっごく苦労してきたの。だからね私、頑張って、頑張って、お母さんに家を建ててあげたいの”と、涙を流しながら言うんです。その言葉を聞き、私は新たに自分が代表の事務所を立ち上げることを決めました」(山中氏、以下同) オーディションで軒並み落選するも 1980年代は、毎年のように数多のアイドルがデビューしていた。中森明菜や小泉今日子のように輝けるのは、ほんのひと握り。 「私が新しく事務所を立ち上げると言ったら、周囲は“何を考えているんだ、おまえはばかか”と、散々言われました。でも、私は絶対に売れると信じていたんです」 オーディションは軒並み落選。多くのレコード会社も興味を示さなかった。だが、中山さんに可能性を見いだした人物がいた。レコード会社『キングレコード』で音楽ディレクターだった福住朗氏だ。福住氏が話す。 「第一印象は、目力がすごい子だなって思いました。無口でしたが、この子には何かありそうだと思って、デモテープを録ることにしたんです」 中山さんは、中森明菜の『スローモーション』を選んで歌い、福住氏は、その姿に圧倒されたという。 「とにかく歌っている表情が素晴らしくよかった。声に透明感があり、言葉がすごくキレイに聞こえたんです。まだレッスンとかやっているわけじゃないのに、いい感じだなって。なにより発散する圧力が違う。人は、それをオーラと呼ぶのでしょうが、美穂さんは、それがすごく強い人でした」(福住氏、以下同) 魅了された福住氏は、社内で中山さんを猛烈にプッシュしたが反対される。 「キングレコードは、アイドルというジャンルに経験がなかった。先輩スタッフからは“やめておいたほうがいい、考え直せ”と、かなり反対されました。けれど、若造だった私は余計に燃えて(笑)」
中山美穂さんの訃報、夏目雅子さんの死の衝撃に匹敵 離婚後は息子と会えず 中山忍への取材に批判…現場はルール踏んでいる
「年末恒例の企画で、西田敏行さん、火野正平さん、ピーコさん、桂ざこばさんら今年亡くなった芸能人のデータを集めていましたが、そこに中山美穂さんの訃報ですから驚きました」(ベテラン週刊誌記者) 俳優で歌手の中山美穂さんの死から約1週間。10代からスポットライトを浴び続けた人生を伝える記事が連日、メディアを飾る。「一報に耳を疑いました。長いこと、芸能マスコミに籍を置いていますが、夏目雅子さんの死の衝撃に匹敵するものでした」と先のベテラン週刊誌記者。 情報番組デスクは「情報が何もないので、まず現場、つまり中山さんの自宅前に取材クルーを配置するしかない。自宅前に集まったメディアの様子や妹の中山忍さんにコメントを求めたことが批判されましたが、現場は整然として、忍さんのコメントも無理やりではなく、きちんとルールを踏んでいます。お通夜に関しては、メディアの取材は認められず、それに従いました」と明かす。 前出のベテラン週刊誌記者は「やはり最も気になったのは、親権を手放したひとり息子のこと。葬儀には参列できたとはいえ、離婚後、一度も会えなかったのはつらすぎる。周囲がとやかくいうことではありませんが…」 雑誌のインタビューで「一番大事なのは子供」と話していた中山さん。子供に会えなかった母親としての心境を考えるとただただ悲しくなる。
中山美穂さんにレコード大賞・特別功労賞「音楽界に貢献をした『故人』に贈る賞」…西田敏行さん、八代亜紀さんらも
TBS系『第66回輝く!日本レコード大賞』(30日午後5時30分)は16日に公式サイトを更新し、「特別功労賞」の受賞リストに6日に亡くなった俳優・歌手の中山美穂さんの名を連ねた。同賞は「長年にわたり、音楽活動・評論活動を展開し、音楽界に大きな貢献をした『故人』に贈る」とされている。 中山さんが死後10日をへて、レコード大賞特別功労賞を受賞することが発表された。今年のレコード大賞については、30日に決定する最優秀新人賞、レコード大賞以外の受賞者一覧を11月20日に公開。特別功労賞は小澤征爾さん、キダ・タローさん、園まりさん、谷川俊太郎さん、仲宗根美樹さん、西田敏行さん、真島茂樹さん、八代亜紀さん、山北由希夫さんだった。 中山さんは1970年3月1日、東京都生まれ。85年にシングル『C』で歌手デビュー。同年のTBS系連続ドラマ『毎度おさわがせします』で注目された。音楽面では、91年のシングル『世界中の誰よりきっと』(中山美穂&WANDS)、94年の『ただ泣きたくなるの』などを大ヒットさせた。 また、2023年に24年ぶりの全国ツアーを開催し、今年も同様に展開。歌手デビュー40周年の来年も、4月から全国ツアーの日程が組まれていた。