米国のトランプ次期大統領は16日、ソフトバンクグループ(SBG)が米国に1000億ドル(約15兆円)を投資し、少なくとも10万人の雇用を生み出す方針だと明らかにした。
16日の記者会見で、トランプ氏は「この歴史的投資は米国の未来への信頼の顕著な表れであり、人工知能(AI)などの産業が米国内で成長することを保証するものだ」と評価した。トランプ氏の後に登壇したSBGの孫正義会長兼社長は「この投資を行うことに本当に興奮している」と話し、さらなる投資拡大にも含みを持たせた。
孫氏は16日にフロリダ州にあるトランプ氏の邸宅「マール・ア・ラーゴ」を訪問し、トランプ氏と会談した。AIに関連したデータセンターなどへの投資が念頭にあり、米国での事業拡大を円滑に進める狙いがある。
孫氏は、トランプ氏が初めて大統領選で勝利した直後の2016年12月にもトランプ氏と会談し、今後4年間で米国に約500億ドルを投資し、約5万人の雇用創出を目指すとの考えを表明している。
SBGは対話型AI(人工知能)サービス「チャットGPT」を開発した米オープンAIに5億ドルを投資しており、さらに最大15億ドルの追加投資を検討していると報じられている。
トランプ次期大統領と共同で記者会見するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長(16日、米フォックスニュースの中継動画より)(読売新聞)
解説 2022年の相場の下落で大きなダメージを負ったSBGですが、2024年はOpenAIに出資するなど投資を再開しつつあります。投資対象となるレイトステージのAI企業は日本にあまり存在せず、中国とは距離を置いているので、米国が中心になるでしょう。
2025年からのトランプ政権で米国のAI市場には大きな成長余地があると孫氏はみているようです。4年間で15兆円を投資すると報じられていますが、SBGの手元流動性は9月末に3.8兆円となっており、調達方法はまだ分かりません。
AIの開発競争では、市場規模の小さい日本は不利になりがちですが、NVIDIA創業者やトランプ氏との個人的な人脈がある孫氏はその中でも有利に立ち回れる可能性があります。その恩恵の一部が日本にもあると期待したいところです。
この規模の投資って、国際経済にもメッセージを送るんだよ。「アメリカはまだまだ魅力的な市場ですよ」っていうね。それが他の投資家にも影響与えて、もっと多くの資本がアメリカに流れる可能性もある。だから、このソフトバンクの動きは、単なる経済の話を超えて、政治や国際関係にも関わってくる、そういう重要な一手だと思うよ。
恐らく孫さんはトランプ関係なく米国に投資するつもりだったけど、トランプの手柄にするために会談後に発表したんだろう。
トランプとしても大統領就任前の段階で海外から多額の投資を呼び込む力があると国民にアピールできるからビジネスマンとして孫さんをいい取引相手と考えていると思う。
何だか既視感が・・・。2016年12月にも、孫正義氏は大統領就任直前のトランプ氏とニューヨークのトランプ・タワーで会談し、米国の企業に500億ドルを投資し、5万人の新規雇用を創出することで合意したと明らかにしたんでしたよね。
今回も全く同じやり方で、投資を約束したのだと思いますが、金額が2倍に跳ね上がってますね。という事は、前回の投資は上手く行ったのかなって思います。今回、倍掛けするには理由があるのだと思います。
ソフトバンクグループは、日本企業だと思いますので、もっと日本にも投資して、日本人従業員の雇用にも貢献して欲しいと思います。
石破さん対米外交やりづらくなりますね。企業巨額が先端分野に投資されるんですからね。日本政府として何をしてくれるんだという話しに当然なる。
孫さんとしては、AI技術はアメリカのほうが先行していて、日本国内で優秀な人材を含めた10万人規模の雇用は難しいという判断ですね。
現状の中国や韓国への投資を行うリスクを、東南アジアやオーストラリアを含む他国へ移していくことも必要だと思います。