米国のトランプ次期大統領が今月、安倍晋三・元首相の昭恵夫人と面会した際、中国と台湾を巡る安全保障環境を議題にしていたことが21日、わかった。トランプ氏は台湾有事を念頭に「世界の平和のために、中国と台湾が大きな問題だ」と発言し、新政権で台湾情勢への対応を重視する姿勢をにじませた。
複数の関係者が明らかにした。トランプ氏は今月15日(日本時間16日)、メラニア夫人とともに米フロリダ州の自身の邸宅「マール・ア・ラーゴ」に昭恵氏を迎え、夕食会を開いた。安倍元首相の思い出話に加え、台湾を含む世界情勢にも話題が及んだ。
夕食会でトランプ氏は、ロシアのウクライナ侵略に関し、停戦交渉に重ねて意欲を示した。12月上旬に訪問したパリで行ったウクライナのゼレンスキー大統領との会談で、戦争をすぐに終わらせるよう求めたことも説明したという。
トランプ氏は昭恵氏を通じて、石破首相に贈った自身の写真集にも「PEACE(平和)」と直筆で記していた。
中国は台湾への軍事的圧力を強めており、日米両政府は台湾有事への警戒感を高めている。岸田前首相とバイデン米大統領による首脳会談では台湾海峡の平和と安定の重要性について確認してきた。今後は、石破首相がトランプ氏と台湾情勢への認識を共有できるかどうかが焦点となる。
トランプ氏は、首相との会談について、来年1月20日の大統領就任式前の同月中旬であれば可能だと日本側に伝えている。
2024年12月22日
トランプ氏は、昭恵さんとの夕食会で「中国と台湾が大きな問題だ」と語り、ゼレンスキー氏との会談にも言及しました。
解説として、三牧聖子准教授は、トランプ氏が中国が台湾侵攻を実行した場合に150〜200%の関税をかけると述べたことを挙げ、その際の米軍の展開について明言を避けたと指摘しています。トランプ氏は経済的利害を重視しており、中国にとって台湾統一は経済損失を超えた重要な問題であると考えています。
また、村野将研究員は、トランプ政権の安保政策について、危機に備えるための政策と危機に直面したときの政策が一致するかが焦点であると述べています。国防予算の増額傾向にあり、台湾有事に必要な資源の取得が進む一方で、実際に危機に直面した際のトランプ氏の反応は未知数であると警告しています。
コメントセクションでは、様々な意見が寄せられています。特に、「世界の平和のために、中国と台湾が大きな問題だ」という見解が注目されており、トランプ氏の政策がどのように展開されるかに関心が寄せられています。
この記事は、12月22日(日)に読売新聞オンラインで配信されました。